個人事業主である開業医と異なり、勤務医は会社員と同じ扱いとなるため、節税をすることは難しいかもしれません。しかし、高額な専門書の購入費用や学会への参加費用、スキルを上げるための資格取得費等などに、自腹を切って出費する人は少なくないのです。

あとで計算してみると、かなり高額な出費になっているという声も聞くことがありますが、こうした仕事に関係する費用を節税することはできないのでしょうか。

もともと会社員のような給与所得者は、給与所得控除という所得控除を受けています。これは、個人事業主の経費にあたるものです。しかしこの他に、特定支出控除という制度を利用することで、勤務医であっても仕事をする上で必要な経費が控除の対象と認められる場合があり、さらなる節税効果を受けることが可能となるのです。

ただし、給与所得者は、もともと税金を引かれた上で給与が支給されていますが、特定支出控除は自分で確定申告の手続きをする必要があります。

特定支出控除って具体的には何?

特定支出控除というのは、全部で8つの項目にわかれています。例えば、学会や講演会への参加費や交通費は「研修費用」として計上できます。また、医師としてのスキルを上げるために、認定医や専門医などの資格取得費用が掛かった場合、これにかかる費用は「資格取得費用」、病院で必要な衣類や白衣などの購入費をポケットマネーで支払った場合は「業務関連の衣類購入費用」として処理できるのです。

このように、勤務医であっても医師という職業は、控除対象になる出費は多いと言われています。一般的には年収が高いとされる医師の給与ですから、特定支出控除の項目を詳しく知ることで、大きな節税効果を生み出すことが出来るのです。特定支出控除を利用しようと考えているのであれば、領収書は捨てずにとっておくようにしましょう。

勤務先の病院に認めてもらう必要がある

確定申告を自分でやったことがあるという人でも、勤務医が特定支出控除を申告しようとした場合、注意するべき点があります。経費に計上しようとしている項目を自分で洗いだして、領収書を管理することはもちろんですが、これらの項目を勤務先の病院に認めてもらう必要があるのです。領収書をたくさん集めても、勤務先が認めなかった項目に関しては、申告することは出来ません。

また、ただでさえ激務とも言われる勤務医ですから、確定申告にかける時間と労力は大変な負担となることもあります。もし、特定支出控除に関して、詳しい知識がないときは、税理士やファイナンシャルプランナーなどに依頼して、手続きを代行してもらうこともおすすめです。代行してもらう場合は、当然手数料も発生するので、節税となる金額が、手間や手数料に見合うだけの効果があると判断できた時は、確定申告を利用してみてもいいでしょう。