一般的に、税務調査というと法人を対象としているように思われがちですが、実際には個人事業主に対しても調査を行います。個人事業主の場合、確定申告で所得を申告しますが、法人が個人事業者に支払いをしたときには法定調書を提出するため、双方の申告内容に虚偽がないかすぐに調べられるのです。

個人事業主を対象とした調査では、まず事業内容や金銭の流れなどについて聞き取りがあります。次にその事務所の3~5年分の帳簿類を調べ、申告内容と合っているかどうか確認されます。不自然な金銭の流れや収支の異常などがあればその都度確認されるため、調査期間中は事業主や経理担当者が対応しなければなりません。

通常、個人事業者を対象とした調査の場合は2人の職員が訪問し、数日~1週間かけて行います。前もって調査開始日の連絡はありますが、日数は調査の進行具合によって変わります。

税務調査の基準と調査時期

個人事業主の数は全国的に見ると非常に多く、すべての事業主を調査することは不可能です。そこで、税務署では一定の基準で事業主を選別してから調査を行っています。事業主全体から見て、調査対象となる事業主は1%程度です。

ターゲットとなりやすい事業主にはいくつか特徴がありますが、一定以上の収入を安定して得ており、5年以上事業を継続している事業主が多いです。逆に、所得が急激に悪化したり極端に増えたりするケース、収益が多く出ているにもかかわらず預金等の資産が少ないなどのケースも調査対象になりやすいです。

このほかに、特に集中して調査されやすいのが、確定申告の内容と法定調書の内容が著しく異なっていたり、税務署で管理しているデータベースと不自然な相違があったりするケースです。作為の意図があると疑われたときは、調査期間が長くなり、内容もより細かくなります。

税務調査の時期は特に決まっておらず、随時行われるため、決算期や年末年始などの繁忙期に連絡が来ることもあります。

スムーズに税務調査を終えるために

税務調査が来ること自体は、特に問題はありません。すべての事業者を疑っているわけではなく、開業間もない事業所に指導を兼ねてくることもありますし、問題ないと言う認識でも確認のために調査することもあるからです。

とはいえ、調査期間中はどうしても仕事が後回しになるため、いつ調査に来られてもスムーズに終わるように準備をしておくとよいでしょう。
まず、個人事業主であっても、個人用と仕事用の現金や通帳などはきちんと分けておきましょう。資産隠しを疑われますし、質問があったときに自分でもわかりにくくなる恐れがあります。そして、帳簿類はきちんと整理して、調査しやすくまとめておきましょう。見やすい資料で誠実な経理をしている事務所は、頻繁に税務調査が入ることもありません。

逆に、所得隠しや脱税の疑いがあると思われた場合、追徴課税がかかる可能性もありますし、再調査の可能性が高くなります。